テーマはコラボレーション(共働作業)

障害をもつ人たちの作品の多くは、自然に、勝手に生まれるのではなく、環境を整え、可能性を引き出 す人の存在が欠かせない。
この場合の「共働」とは一緒に作品を創るといった直接的なことではなく、 共に存在するといった広義の共働性をいう。
今展ではコラボレーションをテーマとした。


若手アーティストを施設へ派遣

若手アーティスト(長崎剛志・木版画家)を東京都福生市にある福生学園(知的障害者の入所施設)に 派遣。
同じ表現者として、時間や空間を共有する中から、障害をもつ人たちと真摯に向き合い作品を創 作した。
この中で長崎氏は作品制作以前の、命、生といった人間の原点に立ち返らされる体験を重ねた。


展覧会の企画(キュレーション)も若手アーティスト集団が担当

派遣アーティストでもある長崎剛志をチーフキュレーターに、東京芸術大学の在校生、卒業生や女子美 術大学の学生を中心と
したキュレーター集団が展覧会のテーマ、展示方針、告知ツール、デザイン、関 連イベントなどの一切を担当した。
派遣施設での創造の過程のドキュメントも発表する。 これまでの「エイブル・アート」、「障害者芸術」 さらには 「既成のアート」の
概念を超える展覧会を 目指した。
この展覧会は、障害をもつアーティストばかりでなく、若手アーティストにも自らの可能性に挑戦する チャンスを提供した。
「エイブル・アート」は人間のあらゆる可能性に挑戦して、常に変化してゆく芸 術運動でありたいと考えている。


観客参加型プログラムを用意 粘土を使った創作コーナー

展示スペースで来館者は作品や作家、自分自身と交感しながら、粘土を使った造形制作ができる



作品を囲んでのギャラリートーク

今展に関わったメンバーを中心に、作品について、作家について、障害者芸術、さらには表現そ のものについて掘り下げる。
来館者も自由にトークに参加できる。


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