方眼紙に庭の図面を描くような気持ちで鉛筆を

動かしていたら、庭の仕事の中で見てきたいろ

いろな形が抽象化されて出てきた。 具体的な

仕事の内容は、根巻き作業のときである。

移植をするために行うその作業は木を知るため

の一番大事な作業と思っている。

地面より上の木葉の量を意識しながら、地中の

根を切っていくその関係性を肌で感じる経験は、

自分が色々な木を見るうえでの見方に影響し

ている。

木を中心にドーナツ型に土が崩れないように掘

り進めていく過程で両脇に地面の断面が見え

てくる。そのなかに見えるものと自分が描き出

した抽象的な形が同じ気がした。


そんな種のようなものを、いろいろな土に蒔い

てみたらどうなるのか?


しかし何が生えてくるかという興味ではなく、ど

ういう場所、どういう土の中に蒔くかということを

大事に考えた。
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