1998  VIVIRA' [命のはじまり]
Able Art Collaboration '98 [curator & artist]
展覧会名 : エイブル・アート・コラボレーション'98  VIVIRA [命のはじまり]  (VIVIRA:ビビラはスペイン語で「生きる」の未来形
会場 : 東京都多摩市落合1-34 ベネッセコーポレーション東京ビルF   ベネッセ・コミュニケーション・ギャラリー
会期 : 1998年5月27日(水)〜6月29日(月)
開館時間 : 11:00〜17:00 [入場は16:30まで] 火曜日休館
主催 : 株式会社ベネッセコーポレーション
企画 : 日本障害者芸術文化協会・株式会社ベネッセコーポレーション
出品作者・団体 : 福生学園(東京都福生市)     知的障害者の入所施設  粘土 / 絵画 / 木のオブジェ
やまなみ工房(滋賀県甲賀郡)   知的障害者の通所施設  粘土 / 絵画
たんぽぽの家(奈良県奈良市)   身体障害者、知的障害者の通所施設  粘土
長崎剛志               派遣アーティスト・木版画家     粘土
出品作品 : 障害(主に知的障害)をもつ人たちの作品と、派遣アーティストの作品で構成。
粘土による造形作品 / 約1800点(小品を含む)   絵画作品 / 約60点
木工作業の端材から生まれたオブジェ「かっぱ」 / 31体
作品の特徴 : 障害をもつ人たちの作品、特に「コラボレーション(共働作業)」から生まれたものをセレクトし、 空間、環境、指導者のあり方をはじめ、何を作品とみなすのか、創作とは何かといった、美術の根元的な問題を問う。 叩く、丸める、ちぎるといった創造の原初の鼓動が聞こえるような作品を収集。
実行委員 : 高橋 直裕 世田谷美術館学芸員 / 長崎 剛志 木版画家 / 砂永 栄一 国際画廊
サイモン 順子 アートカウンセラー、日本障害者芸術文化協会評議員 / 竹内 新 ベネッセコーポレーション人権委員会
及川 正敏 ベネッセ・コミュニケーション・ギャラリー / 播磨 靖夫 日本障害者芸術文化協会常務理事

テーマはコラボレーション(共働作業)

障害をもつ人たちの作品の多くは、自然に、勝手に生まれるのではなく、環境を整え、可能性を引き出す人の存在が欠かせない。
この場合の「共働」とは一緒に作品を創るといった直接的なことではなく、共に存在するといった広義の共働性をいう。
今展ではコラボレーションをテーマとした。


若手アーティストを施設へ派遣

若手アーティスト(長崎剛志・木版画家)を東京都福生市にある福生学園(知的障害者の入所施設)に派遣。
同じ表現者として、時間や空間を共有する中から、障害をもつ人たちと真摯に向き合い作品を創作した。
この中で長崎氏は作品制作以前の、命、生といった人間の原点に立ち返らされる体験を重ねた。


展覧会の企画(キュレーション)も若手アーティスト集団が担当

派遣アーティストでもある長崎剛志をチーフキュレーターに、東京芸術大学の在校生、卒業生や女子美術大学の学生を中心と
したキュレーター集団が展覧会のテーマ、展示方針、告知ツール、デザイン、関 連イベントなどの一切を担当した。
派遣施設での創造の過程のドキュメントも発表する。これまでの「エイブル・アート」、「障害者芸術」さらには「既成のアート」の
概念を超える展覧会を目指した。
この展覧会は、障害をもつアーティストばかりでなく、若手アーティストにも自らの可能性に挑戦するチャンスを提供した。
「エイブル・アート」は人間のあらゆる可能性に挑戦して、常に変化してゆく芸術運動でありたいと考えている。


観客参加型プログラムを用意 粘土を使った創作コーナー

展示スペースで来館者は作品や作家、自分自身と交感しながら、粘土を使った造形制作ができる


作品を囲んでのギャラリートーク

今展に関わったメンバーを中心に、作品について、作家について、障害者芸術、さらには表現そのものについて掘り下げる。
来館者も自由にトークに参加できる。

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